ナチュラルワインについて
今、流行りのナチュラルワイン。
言葉だけが先行している感じもしますが、その定義は様々です。
そして様々な団体が自然派ワインの認証があります。
ナチュラルワインを作っている、私の個人見解を申します。
例えば畑だけ無農薬でも、醸造中に添加物を入れても自然派ワインと言う事が出来ます。
逆に畑に化学肥料を使用しても、醸造中に全く添加物を入れないで作る自然派ワインも存在します。色々グループ分けが出来、それぞれの団体がそれぞれ主張があります。大切なのはそのワインがどういう作り方をしているか?という情報を正しく開示するという事です。そしてどんな作り方でも、美味しければ良いじゃないか? と私は個人的に思います。
有機栽培と無農薬とでは農法は違います。どっちら正しいのか?は簡単には判断出来ません。
気候が違うからです。拘る栽培者は無農薬でなく、ダイオダイナミック農法を選ぶし、宇宙農法という特殊な農法もあります。私は基本は無農薬、有機の肥料も使用しません。そして時間的に可能な限りバイオダイナミックのビオヂィナミゼを行いますが、時間的に無理な場合はしません。完璧にやろうとしても1年は365日しかないので、可能な限り、無理のない中で畑に沢山愛情を注ぐ事が大切なのではないでしょうか?
私のワインはどんな年でも一切酵母菌を入れませんが、その収穫した後のジュースの状態によっては添加酵母を入れるという判断を私は否定しません。ただ私は入れないだけです。今まで一度も入れていませんが、将来的に絶対に入れない!とは言い切れません。
最後の瓶詰めに二酸化硫黄を入れるのか? 入れないのか?と議論がありますが、それもそのワインの出来によって判断されます。私は基本的に二酸化硫黄は入れません。しかし2度だけ使用した事があります。それは初めての醸造で2002年、ソーヴィニヨン・ブランという葡萄の収穫が終わり、プレスをする為、葡萄をプレス機に入れました。入れた後にプレス機が動かなくなり、技術氏を呼びましたが早くて翌日でした。なのでプレス機に入っている葡萄の為に二酸化硫黄を少し使用しました。
2度目は忘れもしない2007年です。雨が多い年で最初から苦労しましたが、発酵にしても大変でした。最後に1㎎のSO2を入れざるを得ませんでした。それ以降一切使用していません。
だからと言って使用する人を否定はしません。醸造家が判断した事は、それはそれでリスペクトします。その方が作ったワインを好きかどうかは、消費者の判断です。人様が作ったワインにあれこれ言うのは、ちょっと違う気がします。
私はどのグループにも所属しておりませんが、仮に所属するならVin Method Natureの左のSans Sulfites Ajoutesになります。そして私が選ぶワイン、私の友人達が作るのは、そのカテゴリーが多いです。
でもあんまり気取らず、肩を抜いてワインを楽しんで貰えたら、醸造家にとって一番嬉しいと思います。